AF Nikkor 28-70mm 1:3.5-4.5 の分解清掃

中古で購入した Nikon のカメラに付いていたレンズ AF NIKKOR 28-70mm 1:3.5-4.5 を分解清掃した。
レンズは綺麗であるが、絞りが油で粘っている。さらにズーム環が引っかかるようで、滑らかに操作することが出来ない状態だった。
分解清掃して使えるようになった。



清掃後にD200に装着してモノ撮りをしてみた。ズーム全域で0.4mほど寄れるため、モノ撮りするのに不都合は無い。サンプル撮影のとおり、すっきりした画像が得られる印象を受けた。なかなか良い写りのレンズだ。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_01.JPG
写真ではわかりにくいが、絞りの一部に油がにじんでいる。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_02.JPG
マウント側から分解を開始した。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_03.JPG
マウントリングの側面にあるネジを外して黒い樹脂製のスペーサーを外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_04.JPG
スペーサーが外れたところ。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_05.JPG
続いて、接点を固定しているネジを外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_06.JPG
マウントリングを固定している3本のネジを外したところ。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_07.JPG
マウントリングが絞りレバーとともに外れる。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_08.JPG
絞り環も外れる。絞り環の横に写っているのは、フォーカス駆動用のギヤである。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_09.JPG
各レバーの位置関係を確認しておく。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_10.JPG
絞り固定用のスライスイッチと板バネを外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_11.JPG
ズーム環を固定しているカラーを外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_12.JPG
接点ブラシの固定ネジは長穴で位置調整出来るようになっているので、外す前に位置を罫書いておくこと。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_13.JPG
ズーム環のゴムリングを外すと、薄い銅板が巻かれ、テープで固定されている。これを外して、接点ブラシの金具を外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_14.JPG
ズーム環を外したところ。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_15.JPG
レンズの後群を外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_16.JPG
絞りユニットを固定している板バネを外す。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_17.JPG
状態確認

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_18.JPG
状態確認

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_19.JPG
ズーム直進ガイドの樹脂製ベアリングを両サイド外す。ベアリングを外た後、位置関係が動かないよう注意すること。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_20.JPG
絞りユニットの各金具の位置関係、スプリングの掛かりを確認しておく。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_22.JPG
押さえ金具は筒の溝に引っかけて固定されており、慎重に外す。
結構勇気が要るが、外すしかない…。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_25.JPG
押さえ金具が外れた。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_26.JPG
絞り羽根を動かす矢車を外し、絞り羽根の組み方を確認しておく。
絞り羽根は1枚ずつアルコールで払拭する。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_27.JPG
レンズ前群はヘリコイドとともに簡単に外れてしまう。が焦る必要はない。
距離環とヘリコイドの関係はテープで簡単に位置調整できるようになっている。

0_AF_Nikkor_28-70mm_35-45_28.JPG
テープをめくると、距離環とヘリコイドが分離する。組み立て後に、オートフォーカスの一眼レフに取り付け、無限遠の被写体に焦点を合わせ、距離環とヘリコイドを固定するテープを貼り直せばよい。
不具合の原因は注油のようだ。ズーム環が動きにくくなって、CRC 5-56 を吹いたのではなかろうか。内部は油だらけだった。
油を拭いて、ズームをガイドしているベアリングをすべて外し、ローラーと溝を清掃してからごく少量の注油を行って組み立て直した。
作業は外すパーツが多く面倒だったが、ズームレンズとしては、分解・組み立てが容易な部類である。


カメラ修理用工具Aセット木箱入り有限会社ジャパンホビーツール
カメラ修理用工具Aセット木箱入り
【カメラ工具】
(ジャパンホビーツール)


カメラ修理工具セットC【カメラ工具】
カメラ修理工具セットC
【カメラ工具】
(ジャパンホビーツール)


カメラの修理工具セットB【カメラ工具】
カメラの修理工具セットB
【カメラ工具】
(ジャパンホビーツール)


吸盤オープナー【カメラ工具】
吸盤オープナー
【カメラ工具】
(ジャパンホビーツール)


カメラ修理のABC
カメラ修理のABC


やってみよう!カメラの修理&メンテナンス
やってみよう!カメラの修理&メンテナンス


ジャンクカメラの分解と組み立てに挑戦!
ジャンクカメラの分解と組み立てに挑戦!
(技術評論社)


マニュアルカメラ全集―機械式・金属製のシンプルな名カメラ500台を収録 (エイムック (843))
マニュアルカメラ全集
機械式・金属製のシンプルな名カメラ500台を収録
(エイムック (843))


やさしいカメラ修理教室 (クラシックカメラ選書)
やさしいカメラ修理教室
(クラシックカメラ選書)


レンズシャッターカメラ修理教室 (クラシックカメラ選書)
レンズシャッターカメラ修理教室
(クラシックカメラ選書)


詳解・カメラの改造と修理術―カメラの完全分解マニュアル (Gakken camera mook―カメラGET!スーパームック)
詳解・カメラの改造と修理術
カメラの完全分解マニュアル
(Gakken camera mook―カメラGET!スーパームック)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. bol より:

    大変参考になりました。ところどころあえて言及していないところも、推理の余地を残しておいてくれて楽しかったです。ありがとうございます。