ocn サブミッションポート(Submission Port) の設定~ 自宅サーバーで postfix と becky! を使ったメール送信 ~

ポート25によるメール送信の制限で自宅サーバーの利点が失われていた。

特定のメールアドレスからの転送や、DVDレコーダーのメールによる予約録画機能の制限など、自宅サーバーからメール送信できないことのデメリットがあった。

1年ほど前から、ことあるごとにネットで調べた情報で postfix の設定を行ってみたが、送信できないままだった。先日、また思い立って設定をやってみたところ、すんなりと送信できるようになったので、その設定方法を公開する。

サーバーのOSは Debian Linux で postfix のバージョンは 2.7.1 である。メールアドレスの例として「hoge@hoo.ocn.ne.jp」でパスワードが「abcd1234」とした場合の設定は以下のとおり。

■ /etc/postfix/main.cf の編集
/etc/postfix/main.cf に次の行を追加する。

smtp_sasl_auth_enable = yes
smtp_sasl_password_maps = hash:/etc/postfix/sasl_passwd
smtp_sasl_security_options = noanonymous
smtp_sasl_mechanism_filter = LOGIN,PLAIN,CRAM-MD5

リレーの設定は次のとおり。
relayhost = [smtp.hoo.ocn.ne.jp]

そして、自宅のネットワーク内からアクセス出来るよう次の設定を行う
mynetworks = 192.168.1.0/24, 127.0.0.0/8

この設定で 192.168.1.xxx からのアクセスが有効になる。

■ /etc/postfix/sasl_passwd の作成
続いて ocn のメールサーバーへの接続に使うユーザ名とパスワードを登録する。
前述の青着色文字で設定したファイル /etc/postfix/sasl_passwd を次の内容で作成する。

[smtp.xxx.ocn.ne.jp] user:password

ここで、user は ocn のメールユーザー、password はそのパスワードを記述する。
xxx は ocn から割り当てられたメールアドレスの記述の一部。
例えば、メールアドレスが「hoge@hoo.ocn.ne.jp」でパスワードが「abcd1234」ならば、
[smtp.hoo.ocn.ne.jp] hoge:abcd1234 となる。

■ postfix のコマンド
続いて、次のコマンドを実行する。

# postmap /etc/postfix/sasl_passwd
# /etc/init.d/postfix reload

以上でサーバー側の設定は終了。

サーバーの設定では、ポート:25 ポート:587 のどちらも出てこない。
ネットで調べると、これらのポート番号に関わる設定記述が見られるが、まったく関係なかった。

■メーラー( becky! )の設定
——- 基本設定タブ ——-
SMTPサーバーはメールサーバーのIPアドレス。「192.168.1.xxx」
ユーザーIDとパスワードはメールサーバーに登録しているものを設定する。
認証方式は「標準」
——- 詳細タブ ——-
サーバーのポート番号は
SMTP:25
SMTP認証のチェックマークは外す。

あとはデフォルト設定のまま。

ポート番号に関わる設定はメーラーの「SMTP:25」だけだった。
postfix の設定にポート番号は必要なかったし、ましてやパッチを当てる必要もなかった。
さらに一部のサイトでは、ルーターのポート番号587を開放するという情報もあったか、関係なかった。

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