Nikon FM3A のシャッター速度計測


Nikon FM3Aのシャッター速度を計測した。金属カバーに覆われたFM3Aの端正な雰囲気と、今後作られることはないであろう機械式と電子制御によるハイブリッドシャッターのメカに魅せられて、ブラックとシルバーの2台を所有してしまった。FM3Aはハイブリッドシャッターを搭載するがゆえに文化遺産とすべき歴史的なカメラだと勝手に思っている。マニュアルでスローシャッターを切るとガバナーの作動音により、純然たる機械制御式のシャッターであることを知らされる。しかしAEにすると、スローシャッターでもガバナーの音が無くなることに不思議な感覚を覚えるのである。このカメラでもう一つ特筆すべきは、追針式のメーターを採用していることである。このメーターはマニュアルにおいて、設定したシャッター速度に対する露出の過不足を視覚的にも掴みやすくしており、AEにおいては設定した絞りに対するシャッター速度を示す指針も兼ねる秀逸なものである。さて、機械式シャッターの計測結果はどうなるのか…。


結果はグラフのとおりである。F6やF5のように整った値ではないが、JISで規定された誤差範囲には収まっている。ちなみにJIS規格によるシャッター速度の誤差は、1/125以下で±0.3Ev、1/125を越えれば±0.45Evと規定されているのである。1/250の誤差が-3.0Ev近くまであるのが少々気になるところではあるものの、データの総てが基準範囲に収まっているので良しとする。グラフは描き方によって違う印象を与えるので注意しなければならない。Y軸のEv値誤差のスケールを±1.0までとるとバラツキが少なく見えてしまうのだ。電子制御のF6などと同じスケールで語るのは間違っているのかもしれない。
(注) 計測は自作の計測装置によるもので、精度を保証するものではありません。ここでの測定結果は、Ohkin個人が所有する機体における個人利用を目的としていますので、メーカーの品質保証とは何ら関係ありません。

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