OLYMPUS PEN EE-2 のリペア


ジャンク品のオリンパスPEN EE-2を修理した。
 オリンパスのPENシリーズは米谷美久氏(PEN、OMシステムの設計者)が、サブカメラとして安価で気軽に扱えるカメラとして開発したものである。1959年発売の初代PENから様々な機種が生まれ、中でもPEN EEシリーズは露出を自動化した画期的なものである。EE-2は1968年5月から販売され、その後8年間生産された機種である。*1

 入手してから見向きもしてこなかったが、忙しくて何から手を付けたらよいかわからない状態だったので、取りあえずPEN EE-2をいじってみた。(筆者は忙しくなると余計なことをしたくなる悪い性格だ。)
 入手した時のEE-2は、シャッターは切れるが、絞りの値が変化しない状態であった。暗い方に向けてシャッターを押すとファインダーに「赤ベロ」(露出アンダーの表示)が出るので、セレンとメーターは壊れていないようだった。きっと絞りの油付着による粘りが原因だろうと、分解修理に至った。
*1:参考文献(オリンパスのすべて エイ出版社)



front.jpg
巻き戻しクランクの根本にあるネジ2本と側面のネジ1本で軍艦部は外れる。革を剥がすとレンズ回り左右のカバーを取り付けているネジが現れるので,これも外す。


ee.jpg
これが自動露出の仕組み。光量によって左右に動く針を挟み込んで、シャッター速度と絞り値を変える。前方のギザギザのプレートで絞りレバーが段階的に変化する。奥のプレートはシャッター速度を変えるプレートで、1/30秒と1/250秒が切り替えられる。同年代の自動露出のカメラも同様の仕組みを採用しているものが多い。


s_unit_body.jpg
レンズ回りのカバーとファインダーを外すと各ユニットがよく見える。


f_box.jpg
フィルム室側から4本のネジを外すとシャッター、レンズのユニットを外すことが出来る。


body_s_unit.jpg
ボディーからシャッター、レンズのユニットを外したところ。


i_s_unit.jpg
これが、レンズ、シャッター、絞りのユニットである。


lens_iris.jpg
絞りユニットのみ取り外す。


iris_unit.jpg
レンズを取り外したところ。


iris.jpg
絞り羽根が油で動かなかったので、羽をアルコールで払拭した。

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