中古で購入した Nikon のカメラに付いていたレンズ AF NIKKOR 28-70mm 1:3.5-4.5 を分解清掃した。
レンズは綺麗であるが、絞りが油で粘っている。さらにズーム環が引っかかるようで、滑らかに操作することが出来ない状態だった。
分解清掃して使えるようになった。
清掃後にD200に装着してモノ撮りをしてみた。ズーム全域で0.4mほど寄れるため、モノ撮りするのに不都合は無い。サンプル撮影のとおり、すっきりした画像が得られる印象を受けた。なかなか良い写りのレンズだ。
マウント側から分解を開始した。
マウントリングの側面にあるネジを外して黒い樹脂製のスペーサーを外す。
スペーサーが外れたところ。
続いて、接点を固定しているネジを外す。
マウントリングを固定している3本のネジを外したところ。
マウントリングが絞りレバーとともに外れる。
絞り環も外れる。絞り環の横に写っているのは、フォーカス駆動用のギヤである。
各レバーの位置関係を確認しておく。
絞り固定用のスライスイッチと板バネを外す。
ズーム環を固定しているカラーを外す。
接点ブラシの固定ネジは長穴で位置調整出来るようになっているので、外す前に位置を罫書いておくこと。
ズーム環のゴムリングを外すと、薄い銅板が巻かれ、テープで固定されている。これを外して、接点ブラシの金具を外す。
ズーム環を外したところ。
レンズの後群を外す。
絞りユニットを固定している板バネを外す。
状態確認
状態確認
ズーム直進ガイドの樹脂製ベアリングを両サイド外す。ベアリングを外た後、位置関係が動かないよう注意すること。
絞りユニットの各金具の位置関係、スプリングの掛かりを確認しておく。
押さえ金具は筒の溝に引っかけて固定されており、慎重に外す。
結構勇気が要るが、外すしかない…。
押さえ金具が外れた。
絞り羽根を動かす矢車を外し、絞り羽根の組み方を確認しておく。
絞り羽根は1枚ずつアルコールで払拭する。
レンズ前群はヘリコイドとともに簡単に外れてしまう。が焦る必要はない。
距離環とヘリコイドの関係はテープで簡単に位置調整できるようになっている。
テープをめくると、距離環とヘリコイドが分離する。組み立て後に、オートフォーカスの一眼レフに取り付け、無限遠の被写体に焦点を合わせ、距離環とヘリコイドを固定するテープを貼り直せばよい。
不具合の原因は注油のようだ。ズーム環が動きにくくなって、CRC 5-56 を吹いたのではなかろうか。内部は油だらけだった。
油を拭いて、ズームをガイドしているベアリングをすべて外し、ローラーと溝を清掃してからごく少量の注油を行って組み立て直した。
作業は外すパーツが多く面倒だったが、ズームレンズとしては、分解・組み立てが容易な部類である。
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コメント
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大変参考になりました。ところどころあえて言及していないところも、推理の余地を残しておいてくれて楽しかったです。ありがとうございます。